義理の親が施設に入ったあと、空っぽになった実家を前に立ち尽くしたことがあります。固定資産税はかかり続ける、庭は荒れる、けれど「親の家を手放す」決断は、家族にとって想像以上に重い——。認知症介護では「人」のケアに必死ですが、その先に必ず「家」という宿題が待っています。
この記事では、認知症の親の実家をどうするか(売る・貸す・住みながら資金化する)の選択肢を、やさしく整理します。大事なのは、口座凍結と同じで、親の判断能力があるうちに方向性を話しておくこと。元気なうちなら選べる道が、ぐっと増えます。
なぜ「実家じまい」は早めがいいのか
認知症が進むと、家の売却契約など重要な手続きは本人ができなくなり、成年後見人の関与が必要になることがあります。さらに放置した実家は、こんな負担を生みます。
- 維持コスト:誰も住まなくても固定資産税・管理費・火災保険料はかかり続ける
- 老朽化・近隣トラブル:空き家は傷みが早く、庭木や倒壊リスクで近所に迷惑がかかることも
- 相続のこじれ:手をつけないうちに相続が発生すると、関係者が増えて売るに売れなくなる
背景として、厚生労働省の推計では65歳以上の認知症の人は2022年で約443万人。親の入院・入所をきっかけに実家が空き家になるケースは、これからますます増えていきます。
実家の選択肢は、大きく3つ
① 売る(売却)
もう住む予定がないなら、売却がいちばんシンプルです。まずはいくらで売れそうか(査定)を知ることから。複数社にまとめて査定を依頼すると、相場感がつかめて、安く買いたたかれるのを防げます。
② 住みながら資金化する(リースバック)
「親はまだ住み続けたいけれど、まとまったお金が必要」という場合に検討されるのがリースバックです。家を売って現金化しつつ、その家に賃貸として住み続ける仕組み。介護費用の工面と「住み慣れた家」の両立をめざす選択肢ですが、家賃や条件をよく確認する必要があります。
③ 共有名義のもつれを解く
「実家が親と親戚の共有名義になっている」「相続で持分がバラバラ」というケースは、そのままでは売却も活用も進みません。共有持分の問題を専門に扱う窓口に相談すると、糸口が見つかることがあります。
まず確認 ― 実家じまいチェックリスト
- ☐ 実家の名義と権利関係(単独か共有か)を確認した
- ☐ 親本人に家をどうしたいか(残す・売る・誰かが住む)の希望を聞いた
- ☐ おおよその売却相場(査定)を把握した
- ☐ ローンや車など、家以外の資産・負債も整理した
※広告(PR)を含みます
「実家、いくらで売れる?」をまず知りたい方へ
下記は、複数の不動産会社にまとめて売却査定を依頼できる無料の一括査定サービスです。相場を知るだけでも、次の話し合いがぐっと進みます。
今日できる、たった30秒の一歩
実家の住所で、ネットの匿名査定に物件種別だけ入れてみる。金額は見るだけでOK。
「いくらくらいなのか」が分かるだけで、家族の話し合いは現実的に動き出します。売る・売らないは、それから決めれば大丈夫です。
「親はまだ住みたい、でもお金も要る」ときは
介護費用が重くのしかかる一方で、「住み慣れた家を離れたくない」という親の気持ちもよく分かります。その板挟みのときに、住みながら資金をつくる選択肢を一度知っておくと、視野が広がります。車を手放したくない場合も同様の仕組みがあります。
※広告(PR)を含みます
「手放さずに資金をつくる」を知りたい方へ
下記は、車を手放さずに資金調達できるカーリースバックのサービスです。条件をよく確認したうえで、選択肢のひとつとして。
おわりに ― 「家をどうするか」は、家族の物語の整理でもある
実家じまいは、ただの不動産の話ではありません。親が生きてきた時間と、家族の思い出をどう受け継ぐか、という整理でもあります。だからこそ、急かされて決めるのではなく、親が元気で、一緒に話せるうちに方向性を決めておきたい。看護と介護の現場で「家のことで親子がもめる」場面を見てきたからこそ、そう思います。
まずは相場を知るところから。契約や税金の判断は、必ず専門家にご相談ください。あわせて親の家の相続登記も確認しておくと安心です。
出典:厚生労働省「認知症および軽度認知障害(MCI)の高齢者数と有病率の将来推計」 https://www.mhlw.go.jp/content/001279920.pdf


コメント